コンサート情報

アンドレス・セゴビア国際ギターフェスティバル2015


各 位 13日に戻るとこちらは紫陽花の綺麗な時期の繊細な世界、やはり安堵します。出発前の「ご挨拶」メールへ、多くの暖かい応援のお言葉を頂戴しまして、お陰さまで大きな励みとなり、御礼申します。

 今回はギターの手塚健旨先生とピアノの高木洋子さん組と、私と村上江里佳さんの、2組のギター&ピアノチームによる公演でした。 

 同じ拠点/宿舎を同心円にして飛距離を飛ばす様にそれぞれの公演先をこなした旅でした。手塚先生は「らららクラシック」のセゴビア特集に出演されたのでご覧になった方も多いと思います。 

 我が国屈指のスペイン圏の音楽界通・研究家で、現地に多くの友人/有力な支援者がおられることが、私達のチームの演奏旅行に本当に多くの助けになりました。そう、彼は人間の洞察通でもあるのです!ともあれ「大切なTakeshiの友達なら友達だよ!!

 ひと肌脱ごうじゃないか」という訳です。 スペイン人は熱い国民性の一方で、親切でなんとも言えぬ人当たりの良い”もの柔らかさ” ”懐の深さ” を毎回感じるのです。(ただし、アンダルシアは訛が強く声もデカくて速く(笑)まず一発では聴き取れないし、人が集る場所では耳がジンジンします。) 

 メインとなったのは「榎本&村上によるソロとDUOによる3回のコンサート」でしたが、その様な理由で、外国ゆえの煩わしい事を避けて演奏に集中できました。結果、私達は、今でも実際に起こった事が信じられないような気持ちでいます。 サンテスティバン市の『サン・ファン国際音楽祭』、カロリーナ市の『エンリケ・グラナドス音楽院ホール』、そしてメインとも言えるリナレス市の『ムセオ・セゴビアホール』その3回全てで、聴衆から熱いスタンディング・オベーションを貰ったのです。

 2015年に、それを初めてもらった時は、「応援の気持ちかもしれない」、と半信半疑に思いましたが、今回の歓呼によって、次第に私の中で「ある確信」に変化した事を正直に申し上げます。 特に、ムセオ・セゴビア(私とって3回目、このチームで2回目)の聴衆の熱気は凄く、本プロ中も、一曲ごとにかなり長い答礼をして座っても拍手がなかなか終わらない位でした。

 アンコールの1曲目の「アルハンブラの想い出」で総立ちの歓呼になった事は名誉に思います。受け狙いの派手な曲で、ではなく、泉下にセゴビアが眠るホールで、ギターの魂とも言える曲での、アンダルシアの聴衆からの歓呼なのですから!  笑顔の中にクエンカ兄弟夫妻の姿も見えます。 

 終演後、打上げの席上で口々に頂いた「コンサートの間ずっと、私達は幸福でした」という言葉は、5回目の渡西して初めて頂いた言葉でした。 

 およそ演奏家として、これ以上嬉しい言葉があるでしょうか? 港町ベレスマラガのトーレ・デ・マーレ音楽院での村上さんのピアノ・ソロリサイタル、セゴビアのロスオリーボスの別荘があることで知られるアルムニエカルの「エリオスホテル」主催の榎本のリサイタルも好評を得、宏大なアンダルシアを行き来した楽旅を終える事ができました。

[付 記] ーー セニューラ・ヴィクトリアの歌声演奏会中は冒頭で触れた人脈のお陰で、主催者の実家の経営するペンション(に近い形態)などに宿泊しましたが、宏大な自宅の一部です。 サンテスティバンでは、ご母堂のヴィクトリアが友人も呼んで、お手製のパエージャやトルティージャ(卵料理)の食事がふるまわれました。 

 ワインも入ってすっかりご機嫌になった婦人が、手拍子(パルマ)を叩きながら渋いノドを聴かせてくれました。「ワタシはよく息子のエンリケ(主催者)の伴奏でセビリャーナスを歌うのさ」。こぼれるような笑顔です。

 初めて聴く市井の生活者が歌うカンテ・ホンド(深い歌)! その本来のフラメンコの歌声は感動と共に、いつまでも耳の底に残っています。それは私達への最高のレッスンとなり、今回の演奏のエネルギーとなったのは、その歌声だったのかもしれません。

                         榎本裕之

初共演!柴田杏里&榎本裕之

明光寺もみじまつり

アンダルシアの空に響いたDUO

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第8回いいずなムジカフェスタ

村上江里佳ピアノ・リサイタル